富士登山2017 その2

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先日の富士登山の記事を書きましたが


その続きというか。


大変だった部分です。






昨年出した本でも
富士山は是非登ってほしい!とおすすめしてますし

昨年も寒すぎて死ぬかと思いましたが
やはり機会があれば挑戦してみてほしいことは変わりません


ただ、今回もなかなかの危機的状況があったので
それを書き記しておこうと思います。


命を危険にさらす前に登山を中止することも
ひとつの勇気だと改めて感じた今回の富士登山でもありました。





■T、リタイア










4人で登り始めた今回の御殿場ルート。

ですが、頂上へ行ったのは3人です。


Tですが、途中宿泊した山小屋
7.5合目の砂走館で待機という形になりました。

Z(僕)が大寝坊をかましてる間に
残り3人は午前2時半頃に山小屋を出発したのですが
1時間ほど登った赤岩八合目館でTだけ引き返し
僕とは入れ違いになったとのことでした。

その辺りのやり取りはLINEでリアルタイムに行えたので
電波の通じる富士山の便利さに助けられました。

(ただし、山小屋は基本的にコンセントは使えないので
予備バッテリーの用意は必要です)



このようにして、前回の記事のように
Z(僕)、S、Yの3人で山頂にたどり着きました。





■下山開始

山頂の剣ヶ峰も堪能し、下山開始。

砂走館まで戻ります。

来た道を戻ること1時間半。
岩場の道なので、落石や転倒に注意しつつ。


砂走館でTと合流し、朝食。
下りのエネルギーをしっかり摂ってから出発です。



この時点で、Tの体調がかなり悪そうで
後から思えば、この時点でレスキューに連絡して
山小屋のブルドーザーに乗せてもらっていれば良かった
という反省点があります。

(さらに言えば前日登ってる最中から
体調はいつもより悪そうだったので
登山中止の決断を出来ていれば良かったんでしょうけど…)


山小屋や山頂に食料などを運ぶブルドーザーは
基本的に人を運搬するものではないので
通常は乗せてもらえません。

ただし、緊急事態(警察・レスキュー隊に相談して緊急事態と認められた場合)に限り
乗せて5合目まで連れていってもらうことは可能なようでした。


もちろん、食料などを運搬する役目のものですから
こちらのスケジュールに合わせて運行などできない上
かなりの高額な料金になります。


何より、物資を運ぶスタッフの乗る場所を奪うことでもありますので
迷惑もかけてしまいます。


気軽に利用できると思うべきではないですね。
本当に緊急事態のみです。


ただ、今回はその緊急事態になってしまっていたんだな、と思います。





■下山道


御殿場ルートの下山道。

この山小屋よりも下は、
登りがそうであったのと同じく
やわらかい砂の道を下ります。

ここからは登山道と下山道が分かれており
登山道がジグザグだったのに対して
下山道はまっすぐの道が続きます。

そのぶん、勾配はきつくなります。
勢いがついて、走るように下れることから
『大砂走り』と呼ばれていて
勢いがつき過ぎることには注意したいところです。



通常は、そんな風にスピードの出しすぎに注意するような下山道なのですが
T君の体調が思わしくなく、
ゆっくり歩いては倒れ込むように休憩…
というのを繰り返す状況でした。


山小屋を出て下山を始めてしまった以上
途中で止まっていても事態は好転しないので
なんとか励まし合いながら少しずつ歩きますが

二時間ほど?下ったあたりで限界に達し
レスキューを呼ぼうという決断に。

山小屋でこの決断が出来ていれば…
というのが悔やまれますが
もう過ぎてしまったことは仕方ないので
未来だけを考えます。


ちなみに




登山道・下山道には
要所要所にこのような標識が立っていて
現在地がレスキュー隊にすぐわかるようになっているんですね。
この写真は登る時にG-054地点で撮ったものです。


これに書かれている番号をレスキューに伝えれば
すぐに場所を特定してくれる


と思ってた時期が僕らにもあったんですが
実際にはあまりよくわかっていないようでした。
それどころか、何度も違う所(違う部署?)から電話があり
名前や年齢や住所をその都度聞かれる事に。

助けてもらう側が言うのもなんですが
最初に110番を受けた人が、それらの情報も伝達してくれよと思いました。

四人で行動しているとはいえ、
みんなスマホのバッテリーにそこまで余裕があるわけではなかったので…

まぁ、レスキューなんてめったに要請する人はいないんでしょうから
仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが。



結果として、大砂走りの勾配のきつい部分は
普通のレスキュー車では登って来られないので
ある程度自力で下りてきてくれ、という話で落ち着きました。


そして、そんな中
下山道からも見えるブル道(ブルドーザー専用の道)をゆっくり下るブルを発見。


緊急事態だし、それにTを乗せてもらおうと決意。
下山道とブル道の交差する場所まで幸いあと少しだったので
走りました。

そしてブルドーザーに乗務してた山小屋のスタッフに事情を説明して
乗せてもらえることに。


この方々が『赤岩八合目館』と『砂走館』のスタッフでしたが
本当に親切にしてくださり
状況が状況だったので、ただただありがたく、
涙が出てきましたね。

Tと、付き添いにYがブルドーザーに乗り
これによりスタッフの一人は徒歩で下山することになりましたが
嫌な顔ひとつせず、逆に励ましてくれたりして
圧倒的に感謝しかありません。

本当にありがとうございました。



そして、6合目より少し下の方で待機していたレスキュー車と合流し、
レスキュー車で5合目へ。

そこからは救急車で病院へ…という流れです。


Z(僕)とSはブルドーザーを見送ったあと歩いて下山を始めましたが
事情聴取のためレスキューもう1台いた車に乗って5合目へ。

5合目に戻るまでが『富士登山』と考えるなら
初めての途中中断となりました。

その後、僕ら2人は5合目の駐車場に停めてあったレンタカーで病院へ駆けつけました。




■原因


診察の結果、消化器系が全く機能していなかったとのこと。


原因はわかりませんが、
登山よりも前から疲れが溜まっていたからかな
と、個人的には思います。


点滴を打っただけで入院することもなく
無事にその日のうちに帰ることができました。


ちなみに、御殿場市内の病院を出発できたのが17時頃。
東京に着いたのは19時くらいかな。

もっと夜中になるかも、と覚悟していたのですが
ちゃんと帰り着けて安堵しました。


たくさんのエネルギーが必要な登山で、
消化器系が機能しないのがどんなに恐ろしいことなのか。
(自分自身ではないですが)身をもって体験しましたね。


登山ではエネルギーが切れれば、その場から動けなくなってしまうので
行動食(お菓子など)をこまめに食べながら登ります。
下りも同様です。


消化器系がやられては、どんなに食べても
それを消化できない(エネルギーにできない)ということですからね…

今思うと血の気が引きます。



■防止策

今後の登山への反省点ですね。


体調が思わしくないときは
勇気を持って登山を中止する。

これですね。


体調が悪い本人が
我慢したり無理したりせずに言うことも大事ですが

一緒に登ってる仲間が気付いてその決断を下すことも必要だと学びました。
(これは、ブルドーザーのスタッフの方にも言われました)

本人の判断力では「大丈夫」でも
実際には大丈夫じゃないこともあるんですね。
今回のように。


大小関係なく、山というのは町中とは違い
救急車がすぐに来られるような場所ではないし
電気、水、食料、そして雨風をしのぐ施設でさえ
全然ないのが当たり前の場所ですからね。


ちょっとしたことで遭難するし
命も落とします。

自分自身のことで精一杯で人を助ける余裕なんて無いことも多いです。

当たり前のことですが、改めてその大変さを認識しました。






長くなりましたが、これで2017年の富士登山レポートを終わります。

最終的にはみんな無事に生きて帰ってきたので
後々になればきっと笑い話になるでしょう。
でも、忘れてはいけない反省点を活かし
次の登山に繋げていきたいと思います。



【私信】

※リアルでよく会う仲間内へ※

登頂をリタイアしたT本人は
それなりに落ち込んでると思います。
万が一この記事を目撃してしまっても
あまり騒がず、そっと胸の内にしまっておいてもらえると助かります。
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